秋の七草の芒
写真は鳴尾浜のリゾの芒です。
芒は秋の七草の一つで、尾花(おばな)と言われています。
秋の七草は万葉の歌人「山上憶良」が詠んだ以下の2首の歌がその由来とされています。
・秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花
・萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌の花
・秋の野に 咲きたる花を およびをり かきかぞえれば ななくさの花 (短歌)
・はぎのはな おばなくずばな なでしこの花
をみなへ し またふじばかま あさがおの花
瞿麦(くばく=なでしこのはな)の意味、2首目は旋頭歌(せどうか=和歌の一体で上の句も下の句も五七七からなる)です
「朝貌の花」が何を指すかについては、朝顔、木槿(むくげ)、桔梗、昼顔など諸説あるが、桔梗とする説が最も有力であるというとこらから桔梗とされています。
秋の七草は、それを摘んだり食べたりするものではなく、眺めて楽しむものであるといわれていますが、秋の七草は愁が感じられて見る者を寂しくさせます。
・桔梗は凛として清楚で美しいが何故かワケありで寂しそう。
・撫子はあまりにも可憐で優しくて支えてあげたくなる。
・女郎花、藤袴、葛や萩は質素で賢妻でひかめで目立たな美しさがあるが、見た目は寂しい女性。
・薄も寂し過ぎるが、しなやかで男を翻弄させる悪女的な雰囲気を持つ女性。
よく見ればそれぞれに美しい、ひかえめな賢女たちであり、華やかな社交女ではない。
封建社会の理想的な女性たちであるように思えてならない