般若心経

三十三か所札所巡礼が満願となり、今は四国八十八か所札所巡りを初めています。寺院に参りますと先ず手と口を禊をして本堂に行きます。
一礼してから住所と名前を告げて「お導きのほど宜しくお願いします」と述べます。そして般若心経の最後の「羯諦偈」(ぎゃていげ)という呪文の部分だけを唱えて一礼します。
弘法大師高野山奥の院に籠ってから入滅をするまでの期間、般若心経全文を唱える体力がなかったので、最後の羯諦偈だけを唱えていたと伝えられています。そういうことから、梵語のままを唱える羯諦偈を唱えれば般若心経全文を唱えたのと同じだと言われていますので羯諦偈だけを唱えて一礼して礼拝としています。
その呪文は次の通りです。
羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提僧莎訶  般若心経
羯諦羯諦(ぎゃていぎゃてい)波羅羯諦(はらぎゃてい)
波羅僧羯諦(はらそうぎゃて)菩提僧莎訶(ぼうじそわか)
般若心経(はんにゃしんぎょう)

呪文は翻訳しない方がよいとされているそうですが、弘法大師は意味を分かったうえで唱える方がよいだろうということで翻訳されています。
「往き往きて、よく往きて、真実の仏の世界に往きついて、手に入れた仏の覚りというものは、ほむべきかな」という意味だそうです。