ある女の詩

雨の夜来てひとり来て 私を相手に呑んだ人
私の肩をそっと抱き  苦労したねと言いった人

生きる哀しさ悦びを  私に教えてくれた人
グラスを置いて手をとって 痩せた手だねと泣いた人

俺の命は君にやる 私に嘘をついた人
死ねほど好きと言いながら いつか遠くに消えた人

昭和47年の美空ひばりの名曲です。
夜の女性は基本的にはお金が欲しいから、一番手っ取り早くて収入のよい夜の蝶を選びます。
お金にはシビアで聡いのは当然ですが、そんな中でも昭和の女性は人情味もあって、男を支え尽くすという気風もあり、昔の女のしっとりとした情が窺えました。
この詩には男に尽くし騙されながらも健気に耐えて頑張っている、昭和の女の情念を感じます。
昔、あるママに「そんな極道な男やったら別れたらいいのに」「別れるのん怖いんか」と言ったことがあります。ママは「べえつに怖くはないけど、夜中に帰って真っ暗で誰も居なかったら寂しいから
ヤクザな男やけど一緒にいるねん」と言っていました。
昭和の時代はそういう耐えて我慢している女性は沢山いました。

http://www.youtube.com/watch?v=4lkWtMsNip4 歌です