富嶽三十六景

葛飾北斎が描いた富嶽三十六景遠江山中(とおとおみさんちゅう)の絵です。
構図の奇抜さというような専門的なことはわかりませんが、この絵を見ていて心うたれました。
大きな木材を二人係で板状に切っています。そして鋸の刃を磨いでいる人が描かれています。
昔は板を切るのにもこのように切っていたのですね。
相当が技能と体力が必要です。
昔の建築物を見ていますと支柱は丸太のままが多いですが、この絵を見ていると納得します。
板を一枚作るにも大変な技術と労力なのです。
お寺などを拝観に行きますと、そういうことが分からず何となく見学をしていましたが、今度からはそういう目と心でしっかりと見学してきたいとおもいます。


昔は織物もそうです。綸子などの地模様のあるものは、経て糸の操作は梁の上に乗って腹ばいになって上から操作していたのです。だから綸子は高価で高貴な支配者階級の人の衣料だったのです。
どの分野も全て手仕事ですから大変です。
そういう時代だったから仕方がないと言ってしまえばそれまでですが、今の人たちはどの分野でも楽になっていますね。楽になった分技量が衰えているかもしれませんね。