一人前になるには10年必要

私の経験から申し上げれば、どんな指導者でも技術者でも一緒で、一人前になるには最低10年はかかります。

最初の5〜6年位までは無我夢中で行っています。相手は実験台になっているようなものですから、逆にお礼をしなければいけないのではと思います。
10年位経ってやっと一人前になって自分の境地を持てるようになります。
どういう境地で行うかは個々に異なるとは思いますが、指導者という立場から言えば、教えるということは,教えられる側の人達を、如何にやる気を起こさせるかが最大の課題です。
子供にいくら「勉強しなさい」と怒っても、本人がその気にならなければ成果はあがりません。
これは子供だけでなく大人も全く同じです。

心の扉をこじ開けて中に入り込み、その気にさせるように働きかけます。それが指導者の一番の仕事で、教えるということの一番の難しさです。
これは戦いです。大人も子供も強い自我を主張してきますので、それを楯で受け止めて侵略されないようにして、相手の心を攻撃していく。その戦いに負ければ舐められて、何を言っても自己主張をまげません。その自己主張は楽をしたいという反向上的な心ばかりですから、それを退けなければ大きな上昇はありません。
勉強もお稽古事も。即ち大人も子供も自分のために取り組んでいるのに、人ごとの様な考えで取り組んでいる人が圧倒的です。指導はそういう心との戦いです。
その戦いを忌み嫌って逃げ出す人は指導者にはむいていませんので、そういう人は他の仕事をすればいいのです。
橋下知事は、先生にも評価点をつけて、何年も低評価の先生には辞めて貰うと言っていますが、そういう先生は戦いを放棄した先生だと思いますので賛成です。