風の盆

 行ってきました。
まず八尾の町近くに来ますと街に通じる道は全て封鎖されていました。
入って行こうとしますと「入れません」というだけです。
どちらに向かって行けばいいのかわかりません。
特設の駐車場が数箇所つくられているようですが、それが何処にあるのかわからないのです。
町から3kmぐらい離れた場所に駐車場は設けられていました。
1000円協力金を渡すと、街までシャトルバスで送り迎えしてくれということですから、一安心です。
 街中に入りますと物凄い人です。7時から夜の踊りが始まりますが、流し踊りをする辻には、すでに道の両脇に大勢のひとが座って席取りをしています。その数はすごい数ですが今年は台風の影響で少ないといっていました。
 私が行った辻は諏訪町という石畳の坂のある所です。そこが一番情緒のある辻ですから見物客も多いのです。
 風の盆は最近は商業化されて毎月阿波踊りのように会場で見れるようになっているそうですが、風の盆は夜に流しをみてこそ値打ちがあります。薄暗い街辻を胡弓や笛、太鼓にのってしずしずと踊ります。静かな踊りで踊り子の顔も見えない位に薄くらい雰囲気で踊って街を流します。
物凄く幽玄な雰囲気で情緒があります。踊りの華やかさというよりもその独特の情緒を味わいたくて大勢の人が八尾に集まるようになったのだとおもいます。だから風の盆は夜に流しを見なければそれは伝統ある八尾の踊りを見たことにはなりません。
 一度行ったことのある私は、それが分かっていましたので夜の流しを妻に見せてやりたくてきたのです。

 7時に近ずいてきましたので大勢の人の間に入れてもらって待ちました。時計を見れば6時40分です。後20分です。

 今回の旅行は台風の影響で雨という予報でしたのに「ついていたね」これでもう少し天気が持ってくれれば「最高なのにね」と待ちながら話をしていた最中に雨が降り出しました。すこし様子を窺っていたのですが、世話人らしい人が、踊りは少しの雨が降っても楽器が濡れるのでしませんと行って回ってきました。そのことは待ちながら妻と話をしていましたので、すぐに決断をして帰ることにしました。もう少しのところだったのですが残念です。
また元気で出直してくださいということですから出直します。その意欲が無くなれば人生おしまいですからね。