お茶会にお二人で

 お二人揃ってお母様が関係されているお茶会にご出席されるそうです。
お電話でのお話ではご主人は最初は着流しで出席されるおつもりであったようですが、お茶会に行かれるとお聞きしましたので「袴を穿かれますか」と私が言ったものですから、当日は袴を用意されていました。

 ご主人のお母様はきものがお好きだそうで、現在では珍しく袴も礼盛装用の仙台平と紬の外出用の袴と2点ご用意されていました。
 袴を穿かれる時は、最近では紬の袴を用意されている方は少なく、ほとんどは仙台平ですから「足袋は白色ですよ」と奥さんに言っておきました。
 当日お伺いして玄関に黒緒の草履が用意されていました。それを見て「しまった」うかつなことを言ってしまったと後悔しました。何故ならば黒緒の草履の時は黒足袋だからです。白足袋の時は白緒の草履ですから、仙台平に黒緒の草履は具合悪いなと玄関先で心配をしながらお部屋に通していただきました。
そうすると袴は仙台平と紬のものが容易されていて、足袋も白足袋とグレーの色足袋が用意されていましたので安心すると共に、男性の和装で昨今これだけのものが用意されていることに驚きました。
用意されているお着物は大島紬のアンサンブルでした。大島に仙台平はおかしいので紬の袴を穿いていただき、足袋は白足袋はおかしいのでグレーを履いて頂いてこれで全て約束通りの装いが完成しました。

 お二人がお揃いで着物を着てお茶会にお出かけになる。邪魔くさがらずに億劫がらずに時にはきものでもお召しになって出かける。そういうメリハリのある生活をすることによって生活に膨らみが出来て、豊かな人生になります。
 最近の方はそういうゆとりが無くなってきています。お二人を見習って頂きたいと思いお二人に了解を得て取り上げさせて頂きました。

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