人の言動はすべて精神が支配する

 人の言動は全てその方の精神が支配しています。その精神に大きく影響を及ぼすものは知識です。
例えば私が行っていた着物教室においてもその通りです。
「どの程度出来るようになりたいのですか」と聞きますと、大方の人は「上手にできるようになりたいです」と答えられます。
 指導者は技術、専門知識に長けているのは勿論のことですが、お稽古事もサービス業ですから、経営的センスもなければ立派な指導者にはなれません。
 いくら技能や知識に長けていても経営が成り立たなければ力を発揮する場がありませんので、技術や専門知識だけでなく様々なセンスが求められます。

 指導者は様々なセンスが求められますが、技能面だけを取り上げれば上手の見本は勿論先生となります。先生と肩を並べるようになって初めて上手になったと言えます。
上手とは先生と肩を並べるレベルに至ること。そしてそうなるにはどんなものでも簡単ではないということを理解することが知識です。
そういう確かな知識があれば、上手になるためには必ず困難なことがある。それは当然のことだから負けないでやり通すという決意と覚悟が整います。
 そういう確かな精神をもって臨まなければ上手にはなれません。上手になりたいと宣言をしておきながら現実には上手になる人は希で、大方の人は投げ出してしまいます。
それは知識が希薄だから確固たる精神を持って挑めないからです。
 「そんなものぐらいその気になったら」という考えの人は多いのですが、それは知識不足です。
 そういう状態で自己の人生を向上させていけるでしょうか。
そういう根本を真剣に考えて行く土壌を構築していかなければいけないと思います。