出針使うな

着付が出来上がってから袖口がほころびていることを発見しました。
着付は出来上がっていますが袖口の事ですから直せますので、直してあげますので針糸を出して下さいと言いました。
そうすると「貴方ね、今日は甥の大事な結婚式なのです。そんなおめでたい日に出針使うと縁起悪いというのを知らんのんですか」と物凄く怒りました。
 修理は私たちの仕事ではありません。直してあげましょうというのは私たちの善意です。
怒られる筋合いのものではありません。なのにそんなことくらい知らないのかと、蔑むような態度で怒っているのです。
 私も若い時は血気盛んな方で、筋の通らないことを言われとお客さんであっても黙って見過ごすことのできない方ですから、言ってやりました。
 一つは、ほころびていたのは私たちの不注意ではない。直しは私たちの仕事ではない。親切に善意で言っているのにその態度はあまりにも失礼ではないか。私たちはあなたの会社の従業員でもない。
その人の家は会社経営をされているオーナーの奥さんです。
 それから出針を使うなということですが、「さぁー出掛けようという時に、何か足らないなどと探し回ったりしないように前もって確認をしておきなさい。きちっと準備をしておきなさいという格言ですよ。貴方こそ、そんなことも知らないのですか。」と言ってやりました。
 昔から下駄は夜おろして履くものではないなどといいます。夜に新しいものを身に着けるということは夜遊びに行くということですから、その遊びを戒めた格言です。
格言とか諺というものは人の心を豊かにし、人間関係を円滑にするためのものです。生きていくために最も大切なもののためにあるのですから、軽々しく怒ったりしてはいけませんよね。。
 大人になると、本気になって自分を怒ってくれる人というのは皆無になりますので、私の様にはっきりと苦言を呈してくれる者には着付代をはずまなければいけませんね。
 ところで現在私は各家庭に出張して振袖5000円、その他全て3000円で着付をやっています。
安いですね、上手ですよ芸能界で鍛えた技能ですから。皆さんのお知り合いにご紹介よろしくお願いします。