おめでたや 紅白に咲く 貴種あり

 如月ともなれば厳寒の中でも素晴らしい芳香を放ち咲く梅。花色は主に白と紅系です。紅白の謂れは五行説にあると言われていますが、ここにもその謂れがあるのではとおもってしまいます。
 古代の万葉集では萩が一番でその次に梅が多く詩に詠みこめられいます。その数は一一四首と言われています。
春の先駆けに梅を頭に飾ることは新しい年に希望をかけるしるしとされています
紀貫之古今集
「春くれば 宿にまづ咲く 梅の花 君が千歳の かざしとぞみる」
八条宮の七十の賀歌に詠っています。
 梅は四君子の一つに数えられ吉祥として扱われています。また松と竹とに結び付いて昔から歳寒三友の松竹梅の観念を生み出し広く一般に親しまれています。
ところで歳寒三友の松竹梅で梅は最下位に扱われていますが、梅は桃山時代に嘉樹(かじゅ)とされたからで、松は平安時代、竹は室町時代と言われていますので時代順に位置づけられたものだと思います。