大人の責任


草食系は豊かさから来る甘えと時代の産物です。
いずれの時代も見渡せばつけいる隙が無いくらいに詰まっていて、自分達の出る幕は無いと憂いながら若者達は生きて来ています。今の若者だけではありません。
いずれの時代も若者から見ればそう見えるのですが果たしてそうでしょうか。
そんな事はありません。
人生は順送りで人は必ず老いて行きそのうちに引退をして行きます。我慢をしておれば必ず自分の出番が回ってきます。
その時が来た時に自分に声が掛かるように備えが必要です。
また現今は実力主義で努力をすれば道が開けやすいという環境も出来ています。
やる気さえあれば道は必ず開けるのはいずれの時代も変わりはありません。

 私は昭和の30年代後半に芸能界で仕事をするようになりました。
芸能界と言っても裏方で衣裳の仕事です。
 私の活躍していた時期は大阪のお笑いのタレントでいえば、西川きよしさんや横山やすしなどはまだ師匠のお付きをしながら劇場にも出始めた頃です。
芸能界は先輩、後輩の上下関係は物凄く厳しく、「阿呆、馬鹿野郎」なんて罵倒は日常茶飯事です。
今の若者だったら「阿呆んだら、死んでまえ」などと罵倒されたら一日として続かないでしょう。
 厳しい上に食べていけないのです。様々なアルバイトをしてなんとか食いつなぎながら辛抱して続けていました
その我慢辛抱は大変なものです。今は師匠と呼ばれて活躍している人は全てそういう苦難を乗り越えて来た人達です。

 人は自分は自分はと自分の力に過信し勝ちですが、どんな仕事に就いても当分は一人前の戦力として使えません。一人前として活躍するには修業期間という経験が必要です。
 修業期間は先輩に仕えて尽くすのは人として当たり前です。一人前に仕事が出来て自分が指導できる立場になって始めて一人前に会社を支える一員になれます。それまでは我慢や辛抱はつきものなのですがそれが出来ない若者が増えている事は確かです。

 我々の若い時は全般に貧しかったので今の若者達の様に親頼みなんかできません。逆に早く一人前になって親を助けてやらなければいけなかったのです。そういう意味では同じ若者でも時代によって性根が異なります。
どちらがいいのでしょうか。こういう場合に若者にとってどちらがいいかというよりも、社会にとってどちらがいいかを考えなければいけません。
 草食系が多くなっては世の中はどうにもならなくなるのは歴然です。
なぜこういう現象が生じて来たか。それは私達親に原因があります。自分の子供にだけは苦労させたくないという親馬鹿がこのようにしてしまったのです。
 今更こういう事を言ってもどうしようのないのは分かっています。でも誰かが言い続けなければ益々子供たちが可哀相な状況に陥って行きます。

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