何も悪くはないけれど


 前回の喫茶店での続きです。
隣の丸い四人掛けのテーブルに、30代前半の女性3人と小学校低学年の男の子が先客として座っていました。一人の女性は子供の親かどうかは分かりませんが子供がやっているゲームに自分もはまって一緒にやっています。他の二人の女性も同じく一台ずつ持って夢中でゲームをやっています。
全く会話がなく四人とも夢中です。ときどきゲームに付いて確認の会話をするだけです。

 テーブルの上には飲んだ食器が片づけられていますので、既に相当の時間ゲームをやっていたのではないでしょうか。
 私らがそろそろ帰ろうかと言い出した時に子供はゲームに飽きたのでしょうかやめました。
3人の大人はまだやっています。子供は熱中できるものを止めますとジートしておれません。
寝ころんで足が私たちのテーブルの上に乗りました。子供はそのことが分かってないし、大人達もゲームに夢中で分かりません。ちょうど帰ろうとしていたところですから私も何も言わないで席を立ちましたが、何か寂しくなりました。

 電車に乗りますと最近は本や雑誌を読んでいる人は皆無で、大半が位牌を拝むが如く携帯を眺めています。
その人達は何も悪いことをしているわけでもありません。だから批判めいたことは言えません。それは分かっていますがそういう光景を見ていると何故か侘びしくなります。

 人生は一度切りで引返すことはできません。人生は実に正直で実のなるものに熱中した分だけ収穫ができます。娯楽はあくまでも癒しであり、癒しを追求しても実を結びません。そんなに癒しが必要なほど皆さん苦労されているのでしょうか。
そんなに苦労されているとは思えませんが。

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