篠山の西方寺には山茶花と同じく樹齢600年のカヤの木がある。
600年前というと応仁の乱の以前ですから、動乱の時代を見聞して耐え抜いて来た木だ。
世は無常で何ものも100年もすれば一変するが、600年と聞くとそれそのものに神霊を感じてしまう。
 


 カヤは独特の匂いがある。やや重硬で、弾力に富む。 耐朽・保存性は高く、水湿に耐える。
加工は容易。樹脂分が多いので経年変化が美しく、独特なしぶい黄金色になる。
カヤでつくった碁盤・将棋盤は最優秀とされ、ことに日向 と奈良県春日山産が名高い。
関東以西の山地に自生し、寺社の境内にも植えられている。
カヤは秋に、楕円形の2-3㎝ほどの緑色の実を結び、紫赤色に変化する。 
種子は食用にもなり、良質の食用油や整髪油がとれる。 
 かやの木にはかならずしも実がなるわけではない。
いちょうと同じでかやの木は雌雄異株なので、雌株にしか実がつかない。