名古屋帯


名古屋帯はお太鼓結び専用の略装帯として考案されたものです。

A=織物の九寸名古屋帯(生糸を使用)
B=織物の九寸名古屋帯(生糸を使用)
C=紬の八寸名古屋帯(副蚕糸を使用)
D=染の九寸名古屋帯(生糸を使用)
その他に・紬の九寸帯(副蚕糸を使用)・織物の八寸帯
(生糸を使用)・博多の八寸帯(副蚕糸を使用)があります。

 名古屋帯の本来のものは九寸名古屋帯です。帯の出来上がりの幅は礼正装用は八寸が基本です。
九寸名古屋は仕立てる前が九寸の幅がありますので九寸名古屋と呼ばれています。九寸は芯を入れて仕立てるのですが、仕立ててしまえは基本の八寸の幅になります。
九寸は芯を入れて仕立てますので手間がかかりますので簡単な仕立てで使用できるように戦後になって八寸名古屋帯ができました。名古屋帯はお太鼓結び専用の略装帯ですから礼装盛装の時は締めれません。
 名古屋帯は外出着以下の着物の時に締める帯ですが、きものには染の着物俗に柔らか物と言われるものと、先染の織の物とがあります。
 染の着物はご挨拶とかお礼に訪問するというように儀礼の場にも着れるおきものですが、染の着物の時は上のA・Bの織物の名古屋帯を合わせるという約束事があります。
紬などの着物の時はCの紬の帯か、Dの染の帯を締めるという約束事になっています。
 江戸時代はどんなに裕福であっても町人は織物の帯を締めることを奢侈禁止令で禁止されていました。
外出着、普段着を問わず染の腹合わせ帯を締めていましたので、染の帯は小紋などの染の着物にも締めれるという事になっています。
 色の調和が取れていても材質の調和が守られていませんと着物を知らない人ということになります。