千の風になって


 私は事業が安定してからよくカラオケを歌いに行っていました。
千の風になってという歌が流行した時に、「私のお墓の前で泣かないでください」という冒頭の歌詞があります。
それを聞くと、身近な人を見送った年配の人の中には涙を流す人がいました。
杉本真人の「吾亦紅」なら、親孝行の出来ていない私などはホロットさせられるのですが、千の風になってはそんな泣くような歌と違うのにと不思議に感じたことがあります。

私のお墓の前で泣かないでください
私はお墓の中でじーとしていません、
千の風になって大きな空を吹きわたっています
秋には光になって畑にふりそそぎ
冬はきらめくダイヤのように雪になり
朝は鳥になってあなたを目覚めさせ
夜は星になってあなたを見守っています

この歌は、泣かないでください私は天国に行っても皆の役に立つように忙しく動き回っています。
だからあなたもお墓の前で泣いていないで、皆の役に立つように頑張って働いてください。
私は頑張っているあなたを見守っています。そう言っている歌です。

 人は生かされて育てられ大っきくなって行きます。
人は生かされ、そうして生きて行けるのですから頑張ってくださいね言っている人生の応援歌なのです。
この歌は好きだと言ってよく歌われましたが、この歌の詩の内容について話を聞きますと理解されている人は少なかったように記憶しています。
 この詩は作者不詳ですが、以前にNHKのラジオの教育番組で漢詩の解説をしている番組がありました。それを聞いていると解説をされている大学の先生が、千の風になってと同じ詩が古典にあると言われているのを聞いたことがあります。
 古代から文明文化は進歩しても、人の生きていく根本目的は変わらないということですね。