季節は巡らない

秋元順子さんの新しい曲に「一枚の写真」という歌があります。

死ぬまでずーと傍にいて 愛していくと言った人
あれから私に あれから私に 季節が巡らない

という詩があります。
季節が巡らないという気持ちになったことがありますでしょうか。
 季節は巡らないことはない何時も無常の風は吹いています。
けれども悲しすぎて、切な過ぎて、無常の移り香を愛しむ
心のゆとりがない。心は閉ざされていて季節が移り変わっていくことも目に留まらない。
自分の中では時の流れは悲しみの淵で止まったままである。
自分はこの詩の一篇を耳にしたときに胸がキュンとなりました。

 自分で起こしたきもの学院を35年間営んできて、自分の不祥事で生徒に迷惑をかけてはいけないので全て後継者に譲り、微々たる蓄えしかない状態で裸になってしまいました。
 悪いことは不思議と重なるもので、そんな時に脳腫瘍の通告を受け、おまけに住まいも引っ越さなければいけないことになり。引っ越しはしなければいけない、入院のための検査はうけなければいけない。最悪の状態です。
 そのまま逝けたらいいのですが術後高い確率で後遺症が残るという事です。その後の事を考えれば消沈してしまうばかりで自然の移り香なんか目にとまりません。
 URの団地に引っ越しました。武庫川団地はゆったりと空間を取った緑の多い所です。二階には連絡通路があり花壇には季節の花を植えて綺麗にしてくれています。しかしそんなものが目に止まるゆとりがありません。まさに季節が巡らない状態に陥っていました。
 それを救ってくれたのが6月に結婚した妻です。
色々あったけど、色々あったからこそ巡り逢えることが出来た。私には今食べさせて行く経済力が無い。しかしながらそんな事は力を合わせればなんとかなるでしょう。くよくよしないで楽しく仲良く暮らして行こうと言ってくれました。一にも二にもお金を求める世知辛い時代に、最高の神のプレゼントです。
それからは季節が巡るようになりました。死ぬまでずーと傍にいて愛していきます。